ファイヤーズ・ピーク          「評価 C」
オフロードバイクに跨り、国立公園に遊びに来た若者四人。バイクの腕に自信があった彼らは、様々な障害物が点在する森の中を止まることなく走りつづけていた。だが途中、一番経験の浅かったクリスが大ジャンプに失敗して転倒し、足を折る大怪我をしてしまう。仲間達は話し合った挙句、携帯電話でレンジャー隊を呼び、救援に来てもらうことにした。間もなく到着するヘリコプター。駆け付けてきたレンジャー隊員のジェイクに運ばれ、クリスは無事病院に行けるかに思われた。ところがその頃、国立公園の一角ではジェイクを恨む男が森に火を放っていた…。
またまた登場の山火事映画。このジャンルは「ファイアーウォール」「ヘルファイアー」のように火事に対する消防士の活躍を中心に描いたものと、「ファイアー・ファイト」のように火災現場におけるアクションを重視したものとに大別できるが、本作はどちらかと言うと後者に当たり、中でもバイクアクションが満載の内容となっていた。冒頭で若者達の疾走シーンがあったかと思えば、炎が広がった後もバイクに跨って逃げ回るシーンが延々と続く。実に映画の半分近くをバイクアクションに費やしていると言っていいほどの量なのだが、スピーディーなカット割やカメラワークのおかげで観ていて飽きさせないようにしている手腕は見事である。また放火犯がジェイソン並の不死身っぷり(何十メートルの高さから落ちても、全身火達磨になっても全然死なない!)を見せ付けてくれたりと、バイクアクション以外の部分でも魅力のある作品だ。
だが本作、ジェイク以外のレンジャー隊の描写が感心できない。映画のクライマックス、生き残った若者達が一足先にレンジャー隊に救出された。その頃ジェイクは放火犯と戦っている最中であり、若者達はレンジャー隊に助けを求めた。ところがレンジャー隊は何故か全く動こうとせず、ジェイクは自分の力で放火犯を倒すと、誰も迎えがこない道をトボトボ歩いて帰還するのである。この製作者から存在を忘れられているとしか思えないレンジャー隊の扱いはある種の哀愁を感じさせてくれるが、同時に何とかして欲しいとも思えてしまった。

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