パニック!殺人ジョーズX 「評価 C」
オーストラリアの平和なリゾート地で、一人の男が鮫に食い殺されるという事件があった。その直後、政府に謎の人物から脅迫電話がかかってくる。この人物は鮫を操る技術を開発したらしく、もし大金を支払わなければリゾート地は再び鮫の襲撃を受けるという話だった。そこで警察は犯人を突き止めるべく、3人の男女に捜査を依頼するのだが…。
とても映画のタイトルとは思えないような邦題が心に残る本作。だがこの邦題から感じられる只ならぬオーラとは裏腹に、劇中で鮫に殺されるのはたった二人だけという非常におとなしい映画だった。しかもそのうち一人は悪役であり、クライマックスで大勢の人が逃げ回るシーンでさえも描写されている限りでは犠牲者が0という、鮫映画としては記録的な被害の少なさを誇っていた。
だがそんなもので映画が成り立つのかと言えばそこはちゃんとしていて、話はタフガイの刑事と彼に協力することになったコソ泥二人がマフィア相手に繰り広げるアクションがメインになっており、肝心のジョーズは話のほんのつまみ程度の存在でしか無くなっている。このアクションは繁華街のカーチェイスから船上での銃撃戦、果てにはヘリコプターでの戦いとバリエーションに富んでおり、見ていて飽きさせないのだが、やはり鮫映画を期待して観る者にとっては何時まで経っても鮫が登場しない展開は苦痛以外の何でも無い。
誤解から主人公達が孤立していくまでの過程がじっくり描かれていたりと話自体には光る物が見られ、アクション映画としてはまずまずの出来なのだが、いかんせん邦題が過剰な意気込みを感じさせる分、そのギャップで損をしているように思えてならない作品だった。
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