パラサイトウォーズ           「評価 D」
太陽系の鉱山惑星では、今日も凶悪犯罪を起こした女囚らが労働に駆り出されていた。だがその中の一人、悪党退治の元プロが軍からの呼び出しを受けた。何でも時空転移の実験をしていた宇宙船が突如交信を絶ったので、調査に向かって欲しいらしい。上手く任務を終えられたら刑期が短くなると言うので、勇んで調査に向かう彼女だったが、宇宙船内は一人の女科学者によるハーレム状態となっていた。この科学者は時空転移の果てに、異空間の生物に体を乗っ取られていたのである。そこで軍からの指令の元、この生物を始末しようとするのだが…。
宇宙船を暴れ回る未知の生命体、というシチュエーションがまんま「エイリアン」な本作。登場するクリーチャーもエイリアンを海辺で一夜干しにしたような典型的なパチモンデザインで、しかも主人公は戦闘能力に長けた女性である。「エイリアン」の影響下にある映画は数多く存在するが、ここまで露骨に亜流のオーラを漂わせている作品もそうそう無いだろう。
だが本作、映画の雰囲気は本家「エイリアン」と比べて似ても似つかないものだった。というのは別に予算の都合とか脚本の不出来とかそう言ったものではなく、もっと根本的に「エイリアン」と異なる部分があったのだ。
なんとこの映画、未知の生命体に寄生された博士や主人公によるエロシーンが延々と続き、おかげでクリーチャー達の出番が殆どないという、成年向けパロディ版「エイリアン」と言っても全然違和感のない内容なのである。クライマックスで一応ちゃんとした戦闘シーンも挿入されているので一般向け作品としてArtPort社からビデオリリースされた本作だが、一歩間違えれば「エロイリアン」なんて適当な邦題を付けられて「トゥーム・レイパー」や「ハメナプトラ」あたりの隣に並べられていたかもしれない。話の本筋そっちのけで展開されるエロシーンを観るたびに、こちらとしてはそんな危険に思いを馳せずにはいられなかった。
すなわち本作では何よりもエロが優先されており、とてもじゃないがお子様と一緒に観ることなどできないような作品である。

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