ビッグフット            「評価 D」
アメリカの湿地帯エヴァーグレイスに住むと言われる、幻の民族カヌーサ。彼らを探すため、大学教授らが調査団を組んでエヴァーグレイスに赴く。だがそこで調査団が見た物は、先日消息を絶った別の調査団のキャンプ跡だった。そこは酷く荒らされており、また近くには彼らの死体と思われる物が散乱していた。この只ならぬ事態に戦慄する一行だったが、既に彼らはエヴァーグレイスを守護する醜悪な獣人によって監視されていた。
ビッグフット。北米で目撃され、全身を体毛に覆われた猿人のような姿をしていると考えられている未確認生物だが、この映画のビッグフットは巨大な爪と滑々した体表が特徴的な、少なくとも猿とは全く異なる姿をしていた。そもそも本作の原題は「DEADLY SPECIES」であり、もしかすると本作に登場した獣人はビッグフットとしてデザインされたものではないのかもしれない。しかし、そうだとすると配給会社は主役となるモンスターの名称で重大な間違いを犯していることになるのだが…。
さてそんな本作だが、多種多様な生物が跋扈する湿地帯でありながら獣人以外に障害となる物は現れず、また前半にあれだけ用意されていた謎解きの要素も全く生かされることなく半ば偶然的に主人公達の目的が達成されてしまうので、秘境探検映画としては非常に物足りないものとなっていた。
しかも全体的に非常にチープな雰囲気が漂っており、特に大学教授が獣人の毒に体を蝕まれるところでは首筋の血管が黒くなって行くという表現がなされているのだが、その黒くなった血管がどう見ても黒いサインペンで書きこまれた物だ。
獣人の醜悪なデザインは少し「クリムゾン・アイランド」を想起させて悪くは無かったが、結末の腰砕け度では同じ腑抜けた秘境探検映画である「APE 2003」すらも凌ぐものがあった。

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