ファイアー・ファイト         「評価 C」
消防士のジョナスは金欠に苦しんでいた。幾ら山火事の多い場所で働いても消防士の稼げる金なんて高が知れているので、このままでは妻が経営している店も畳まなければならない。そこでジョナスは仲間達を集め、近々街の銀行を出発する現金輸送車から金を奪い取って山分けしようという計画を立ち上げた。そして作戦当日、催眠ガスでまんまと現金輸送車の運転手らを眠らせたジョナス達は、大金の奪取に成功する。ところが山火事の始末に見せかけて金の入った袋をヘリで運ぶという段階になって、ヘリが煙に巻かれ、現金の入った袋が燃え盛る山の中へと落下してしまった。慌てて金の入った袋を探しに向かうジョナスだが、一方彼らの計画を知らない現金輸送車の運転手が、袋に付けていた発信機を頼りに金を取り戻そうと動き出す。しかもジョナスとは別の悪党一味が彼の計画を知り、彼らから現金を巻き上げようと行動を開始したのである。山火事という状況下で、彼らの三つ巴の戦いが開始された…。
火山映画の代わりに山岳パニックの主流になりつつある山火事映画。近年では他に「ファイアーウォール」や「ヘルファイアー」がリリースされており、今後も増えて行きそうな雰囲気だ。もしかすると炎と戦う消防士の姿を描くことで立派な宣伝になるので、映画を作りやすいという利点があるのかもしれない。
だが上に挙げた二作品と違い、救助隊員でありながらも善玉とは言い難い人間を主人公に据えている点を始めとして、本作は山火事映画の中でも異色と言える出来になっていた。
燃え盛る山に落ちた大金を探す主人公と、現金を横取りしようと企む悪党一味。そんな彼らによる、体ではなく頭脳を使ったバトルが本作の見所であり、また他の山火事映画と一線を画していると言えよう。このバトルはキャラが立っている登場人物達のおかげでまずまずの出来に仕上がっており、アクション面の物足りなさを十分にフォローしてくれているのだ。
結局山火事の処理が適当になっていたりと山火事映画としての不満は少なからずあるが、及第点を与えられる映画である。

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