フロムデプス 「評価 C」
バミューダ海域の海洋調査を依頼された、海洋学者の息子とその恋人。潜水艦に乗って調査を続けていた彼らと助手達は、破壊され尽くした海底基地を発見し、中に入ってみる。ところがそこへ、獰猛な鮫の群れが襲いかかった。鮫達の攻撃によって退路を断たれた彼らは、減りゆく酸素の中で自らの死を予感した。しかし彼らが気がつくと、そこは謎の潜水艦の中だった。幸運にも彼らは、偶々近くを通りかかったこの潜水艦によって助けてもらったのである。だがこの潜水艦、実は鮫を軍事開発している極秘の存在であり、この機密を知ってしまった彼らは潜水艦の乗組員達に命を狙われることとなった。
冒頭でサメの大群をこれでもかと映して期待させておきながら、実際は潜水艦内で軍と銃撃戦を繰り広げる海洋アクション映画だったという、羊頭狗肉な本作。一応クライマックスでサメとの戦いがあるのだが、退治方法がありきたりで且つ、どう考えても深海では無理が生じるようなもので、とてもサメ映画好きの心を満たしてくれるようなものではないのだ。
そんなわけでサメ映画としては落第点と言える本作だが、中盤以降は馬鹿映画としてなかなか光るものを見せてくれる。なんと本作に登場する軍の連中、一般人の主人公やその恋人にまるで歯が立たないのである。潜水艦内で武器を手にした主人公達は彼らを蹴散らしながら脱出艇を目指すのだが、ほとんど危機に陥ることもなく、非常に呆気なく脱出艇に辿り着いてしまう。軍事機密を守る兵士がこの程度の質で、本当にアメリカは大丈夫なのだろうか。彼らの弱さを観ていると、ついこんな事を心配せずにはいられなくなる。おまけにラストも「海を漂流していたら偶然予てからの目標も達成してしまいました」というもので、アメリカ式御都合主義ハッピーエンドが最高潮に炸裂しており笑わずにはいられない。
あまり誉められる点は無いものの、馬鹿映画として十分に見ごたえのある映画である。
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