ファースト・インベイド             「評価 C」
アメリカ上空。高速で飛び回るUFOを、戦闘機の編隊が追撃していた。激しい空中戦の末、UFOは操縦不能となり、やがてメキシコの方面に墜落していった。だがパイロットのエイリアンは撃墜寸前に脱出ポッドに乗っており、まだエイリアンが死んでいない可能性があった。そこで政府は脱出ポッドを回収させるため、5人のプロフェッショナルをメキシコの墜落現場へと向かわせた。しかし墜落現場に近い村は麻薬組織が牛耳っており、おかげで捜索は思わぬ方向へと発展していく…。
だいぶ前にプライムウェーブ社配給の「インベイド」を紹介したが、INTERCEPTOR FORCE2という原題を始めとして、明らかに何かの続編という雰囲気の映画だった。だがプライムウェーブは今更前作をリリースする気なんて微塵と無さそうだったし、もう前作を観ることは無いだろう…と思ったがしかし。クリエイティブアクザという名のプライムウェーブとは縁も所縁も無いような会社から、突如この映画がリリースされた。映画の名は「ファースト・インベイド」。しかも原題がズバリINTERCEPTOR FORCEである! 結局このシリーズ、一作目と二作目が全く別の会社から、しかも二作目が先にリリースされたという実に奇妙な運命をたどったのだ。
(それにしても「ファースト・インベイド」とは、明らかに「インベイド」の前作であるのを意識したタイトルである。異なる配給会社の間で、その辺りは申し合わせでもしているのだろうか?)
そこで私は本作を観たのだが、正直2作目だけをリリースしたプライムウェーブ社の気持ちが分かるような作品だった…。
本作は密室アクションでは無いものの、基本的な話の筋は「インベイド」と大して変わらない。様々な人間へと姿を変える異星人が、主人公達を翻弄しながら追い詰めていくというものだ。しかし本作の宇宙人は、一体何しに地球へ来たのかが最後まで不明のままで終わる(「インベイド」では前作で夫を殺された女宇宙人が復讐に来たという、明確な目的があった)。また、本作の宇宙人は一発で手榴弾並の爆発を起こすという驚異的な威力を誇る光線銃を持っているのだが、それを使うのは本来の姿を現した時だけで、人間の姿になっている時は何故か素手で戦うし、透明化している間は一切攻撃してこない。こんな幾分情けない宇宙人だから彼との戦いだけでは映画も大して盛り上がらず、中盤は西部劇ばりの乱闘シーンの連続でお茶を濁しているような有様だ(しかもこの乱闘がド派手で面白いのが困りものだ)。だが「インベイド」で登場する破壊銃の前身とも言える物が早くも本作で登場していたり、「何でも探知できるレーダー」なんて物が出てきたりと、続編同様にSF兵器に関してはとにかく見物。
投げやりで尚且つコメディ調なエンディングが許せる人なら、それなりに楽しめる映画である。

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