パイソン2               「評価 C」
ロシアの山奥、とある部隊が逃亡したパイソンの捕獲に取りかかっていた。巨大なパイソン相手に作業は困難を極めたものの、彼らは何とかパイソンを気絶させることに成功する。その後アメリカの指示により、パイソンはロシアの飛行機に積まれて輸送されることとなった。ところが憎きロシアの飛行機を見つけたチェチェンのゲリラ達が、バズーカ砲でパイソンを積んだ飛行機を撃墜してしまったのだ。飛行機の墜落現場に向かい、焼け跡からパイソンが閉じ込められている鉄の箱を見つけたゲリラ達。しかしそこへパイソンについて何も知らないロシア軍が訪れ、ゲリラを一掃すると共に箱を回収してしまった。こうして箱はドイツ国境に近いロシア軍基地に収容されたのだが、程なくして箱が開けられてパイソンが解放された。その頃、ドイツではアメリカの町警官からCIAのエージェントに出世していたラーソンが、元大リーガーの輸送業者へ或る積荷の輸送をしてくれるように依頼していた。この積荷とは、勿論パイソンのことである。そうとは知らない輸送業者夫妻と助手は、ラーソン率いるCIAの部隊に先導されてロシア軍基地に向かった。だが、そこは既に二匹のパイソンによって廃墟と化していたのだ…。
本作はあの馬鹿映画「パイソン」の正式な続編だが、前作との繋がりと言えばCIAに出世した駄目警官が出てくるぐらいであり(しかも敵役)、しかも彼が前作の話を大まかに解説してくれるので本作だけを観ても十分に楽しめる内容になっている(そもそも続編である意味自体が無きに等しいのだが)。
そんな本作は冒頭のロシア軍によるパイソンの捕獲に始まりチェチェン軍のテロや秘密を守るために動き出す軍など、単なる町映画だった前作とは比べ物にならない程にスケールアップしていた。「パイソン」と殆ど繋がっていない設定といい、この点といい、一見しただけでは全く関連の無い別物の映画である。
だが本作、やはりあの「パイソン」の続編だった。冒頭であれだけ世界観を広げておきながら主人公達とパイソンとの戦闘はロシア軍基地内でのみ行われるので、実質的なスケールは前作未満という腰砕け。ガス缶が並んでいる場所で火炎放射器を使い、案の定自爆してしまう男。二匹いるくせに一匹ずつしか襲ってこないので、完全に空回りしている「群れでやってくる!」というコピー。単にクライマックスでパイソンの口に爆弾を投げ込むシーンを作りたかったので主人公を元大リーガーにしたかのような、あまりにも不徹底な数々の設定。どれもが「パイソン」の馬鹿路線を踏襲しているようであり、ラストの地面に火薬を仕掛けているのが見え見えな爆撃シーンも含めて実に笑えるのだ。
前作と比べると蛇退治の方法が平凡すぎたが、ちゃんと突っ込み所満載な出来になっているので十分に満足できる続編である。

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