ブロセリアンドの魔物            「評価 C」
アーサー王の遺体が眠ると言われる、ブロセリアンドの森。そこには数々の遺跡が残されており、近くの大学から教授と学生達が度々発掘に来ていた。そして主人公のクロエも発掘作業を行う学生の一人だったのだが、ある晩クロエは教授が何者かによって殺害される現場を目撃してしまう。それからと言うものクロエの周りに奇怪な事件が起こるようになるのだが、実は先日の殺人事件には学生達による怪物復活の儀式が関係していたのだ。
「フランスで初登場第3位」が宣伝文句の本作だが、サスペンス映画のような前半部分を無視して途中からアクション路線に転換する適当さや、儀式によって完成した怪しさ抜群の緑色の液体を始めとする全編に漂うチープな雰囲気など、内容的には十数年前のオカルトホラーと大して変わらないものだった(そもそもフランスで第3位とは全米ナンバー1よりも簡単なわけで)。
さて本作では映画の後半から儀式に成功した学生が怪物化するのだが、この怪物は中世風の回転ノコギリを装備しており、見た目にはなかなか強そうである。ところがこの怪物、数名の学生を血祭りにあげたまでは良かったものの、クライマックスの戦闘シーンでごく普通の女学生二人に互角以上の戦いをされ、挙句に実に単純過ぎる手段によって退治されてしまうのだ。これによって今まで築き上げてきたイメージが嘘のように脆くも崩れ去り、その情けない姿には失望を通り越して哀愁すら感じてしまう。本作はこんな後半部分が非常に笑える映画であった。

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