ブラック・ビートル               「評価 C」
夜の繁華街。一台のバスが突如暴走を始めた。バスは街中を散々荒らし回った挙句派手に横転し、乗っていた運転手は死亡した…。その翌朝、検死官が運転手の死体を調べたところ、何故か彼の体からは内臓が丸ごと抜かれていた。不思議に思い、捜査を開始する警官達。一方、帰郷した軍人のテッドは弟のビーンの様子が最近おかしいと家族から聞かされ、翌朝一緒に食事をとることをビーンと約束した。だがその夜、ビーンの住んでいたアパートが謎の爆発を起こし、焼け跡からビーンの焼死体が発見されたのだ。彼の部屋から麻薬が見つかったので、ヤク中の自殺と決め込む警官達だったが、彼が自殺するとは信じられないテッドは独自にビーンの死の真相を突き止めようと動き出した。バスの暴走の謎を追う警官達と、この爆発事件の謎を追うテッド。一見何の関連性も持たないような二つの事件を捜査していた両者だったが、やがて両方の事件のバックに、殺人昆虫を操るカルト教団「トリリオン」の姿が浮かび上がった…。
本作はまさしくタイトル通り、黒い殺人昆虫(どう見てもゴキブリなのだが、字幕ではみんな「昆虫」と言っている)が集団で人間に襲いかかる映画である。人間の体に入りこんで体内を食い荒らしていく昆虫達の様子はまさしくハムナプトラのスカラベさながらだが、体内に入られても全く気づかず、そのまま数日過ごすような奴がいるのはどうしたものだろうか(冒頭のトラック運転手は昆虫が体内に入ってきたことでパニックに陥っていたので、気づかないはずないのたが……)。他にも昆虫を操っている方法が良く分からない(一応劇中で周波数が関係しているという台詞はあったが、昆虫が集合体になる時も誰かが操っている様子は無かった)、ビデオパッケージにもなっている昆虫の集合体が弱すぎる、などの不満はあるが、それを補うように本作では政府の軍事開発とカルト教団とを絡めた話がしっかりしており、モンスターパニックとして十分に楽しめる作品になっていた。

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