ホスピタル・アンダーシージ 「評価 B」
とあるスイスの病院に一人の黒人男性が患者として運び込まれた。その患者は危篤状態だったため早速手術を行うことになったのだが、なんとその時清掃員に化けていたテロリスト達が正体を現し、病院を占拠してしまったのだ。あの患者はかつてケニアで悪政を行っていたベニン元大統領で、その政治に苦しめられていたテロリスト達は莫大な財産と共に海外に逃げた彼を追ってここまで来たというのである。そして病院内のスタッフや患者達の命を人質に、ベニンの持ち出した金をケニアに返還することを要求するテロリスト達。だが対するベニンの弁護士らは要求を聞き入れる気が全く無く、警官らに危険な突入作戦を決行させようとしていた。こうして両者の緊張が高まる中、たまたま家に帰っていた一人の女医がテレビでこの事態を知り、患者達を救おうと単身病院内への潜入を試みた他、病院に入院していた一人の警官が外部との連絡をとりながら密かに行動を起こしていた。様々な人間の思惑が交錯する中、刻々と突入の時は近づいてきた…。
病院を占拠するという内容から察するに、本作はきっと「ジョンQ」の公開に合わせてリリースされた映画であろう。だが本作で言うテロリスト側のみに焦点を当てたジョンQに対し、本作は患者を救出する側を中心としながもきちんとテロリスト側の事情も分かるように構成されており、なかなかに秀逸な出来となっている。後半の山場となる銃撃戦も各テロリストメンバーの個性がはっきりしている為に観ていて誰が誰だか分からない状況にはなっておらず、本作には単なる便乗映画には終わらない面白さがあるのだ。そのために女医の恋人が大して活躍しないくせに妙にでしゃばるなど、余計な展開が一層際立ってしまうのも事実だが…。
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