ファウスト 「評価 B」
目の前で恋人を殺された芸術家ジャスパーズは、殺した連中に復讐するためにMという謎の男と契約し、強力な鉄の爪を手に入れた。早速その爪で連中を血祭りにあげたジャスパーズだったが、彼はMとの契約に基づき際限なく虐殺を繰り返す殺人鬼に変貌してしまったのである。だがある日、罪もない人間達を殺すのに嫌気がさしたジャスパーズは契約を放棄し、鉄の爪を捨てて平凡な生活をしようと考えた。ところがその考えがMに見抜かれてしまい、殺す意思の無くなったジャスパーズは彼の手によって処刑され、墓場に葬られてしまったのだ。一方その頃、ジャスパーズの担当の精神科医は彼を追っている刑事と協力し、ジャスパーズの裏にはMが率いる強大な組織があることを知る。そこで組織の存在を追い始めた彼等だったが、そんな彼等をMの手下が執拗に襲ったのである。二人の命が危ない!というその時、ジャスパーズは怪物となって墓場から蘇り、鉄の爪によってMの手下を血祭りにあげた。今、ジャスパーズ達と組織との長い戦いが始まったのだ…。
本作はあのアルバトロス・フィルムがリリースしたアメコミ風ダークヒーロー映画である。さすがにアルバトロスが出すだけのことはあり、やや低予算ながらもスプラッター描写やグロテスク描写においては突出の出来映えだ。話の方もありがちと言えばありがちなのだがそれなりに燃える展開を見せてくれるので、良しとする。だがそれでも、本作の評価はあくまでBどまりである。その理由は一つ。本作のクライマックスでは組織が人類抹殺のために作り上げたレプリカントが登場してジャスパーズと戦うのだが、そいつが何とも腰砕けな奴なのだ。詳しいことはネタバレになるので伏せておくが、本作はこいつの存在によって大きく魅力が損なわれているように思えてならないのである。
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