ブラックホール                 「評価 C」
まさにタイトル通り、本作はブラックホールが発生して地球が危機に陥るという内容の映画である。しかしブラックホールなんて、もはやSF映画の世界では珍しくもなんともない題材だ。数々の古典SFから「さよならジュピター」まで、実に数多くの映画に用いられており、今となっては使い古された感すらある。ところが、こんな題材の映画に目新しいものは期待できないだろうなどと思ってはいけない。本作はブラックホールの発生において非常に珍しいアイデアを用いており、今までのブラックホール映画とはひと味違う出来になっているのである。
アメリカ某所の研究所では、粒子加速に伴って生じるエネルギーを利用して超兵器を開発しようとする研究が極秘裏に行われていた。ところが実験途中に加速装置が暴走し、一人の科学者が命を落としてしまう。しかし研究は全て極秘だったため、政府はこの科学者の死をうやむやのうちに処理してしまった。そこで、これを不審に思った科学者の娘は父の死の原因を探るべく動き出したのである。さっそく彼女は旧友らと協力し、研究所が極秘に行っている事を調べあげた。そして彼女達は研究所が粒子加速の研究を行っていることを知るのだが、彼女の友人はその粒子加速に関する公式に間違いがあることを発見し、こう彼女に告げたのである。
もしこの公式通りに実験が行われたら、粒子が限りなく光速に近付くために質量が無限増大し、間違いなく研究所がブラックホール化してしまうだろう、と。
そこで彼女達は研究所に潜入して実験を止めさせようとしたのだが、それも失敗に終わってしまう。捕らえられた彼女達が見守る中、とうとう実験は始まってしまった…。
今までの映画にでてきたブラックホールは、その殆どが宇宙空間に存在していたものである。それに対し本作は、なんとブラックホールを地上に発生させてしまったのだ。なんという暴挙…いや、発想の転換であろうか! このアイデアに関しては、本作は結構評価できる映画である。
ところが本作、ブラックホールを出したのはいいものの、その処理の仕方に大きく不満が残る。ネタバレとなるために詳しくは書かないが、製作者達も発生させてしまったものの処理ぐらいはしっかり考えて欲しかったものだ…。

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