ハンギング 「評価 C」
国際犯罪を犯した男が率いる4人組の犯罪グループがあった。刑務所を脱獄した彼らはアメリカから3000万ドルの国債を奪い、飛行機に乗って悠々とCIAの追っ手から逃亡しようとしたのだ。ところが(というより、当たり前というか)運悪く飛行機は雪山に墜落。4人は山中へと投げ出された上、事もあろうに国債は雪山の頂へと舞い上げられていってしまった。
そこで彼らはたまたま山岳ガイドの訓練をしていた学生達に出くわしたので、彼らを脅して国債が落ちている頂へと案内をさせようとしたのである。だが、学生の一人が彼らのスキをついて逃げ出してしまった!さっそくその女学生は山小屋に立てこもり、小屋の無線から元登山家の父親と山岳警備隊に連絡し、助けを求めたのだ。だが、急いで山に飛び出そうとした彼らの前に立ちふさがったのはCIAだった。国債を発見されては一大事と、事件を隠密に処理しようとしているのである。しかし女学生の父親は、CIAの目をかいくぐって単身山の中へと突入した。愛する娘を守るために・・・!
この映画、「雪山の中に大金が消えた」という点からしてもまんまクリフ・ハンガーなのだが、単純にテロリストとの攻防に徹したクリフ・ハンガーと比べると、どうも本作は話をややこしくしすぎたためか内容の面白みに欠けている気がする。更に本作のテロリスト達はろくな武装もしていないし、ラストは簡単に読めてしまうようなオチだったし、この映画はアクション映画としてもサバイバル・サスペンスとしても出来が悪いのだ。
だが、本作はむしろそういったダメっぷり、情けなさを楽しむための映画として観れば意外と面白く観れるのである。テロリストのリーダーが高山病にかかって体ガタガタの状態で戦う映画なんて、さすがに本作ぐらいのものであろう。しかも敵が情けなければ主人公達も主人公達で、テロリストに脅されている仲間の学生を救おうとして仕掛けた罠は、どれもこれもテロリストでは無く学生達に命中してしまうという始末。こんな情けない戦いを真面目に描いているので、本作は見方によっては近年稀に見る貴重な馬鹿アクション映画でもあるのだ。
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