ファイナル・ウォー                  「評価 C」
時は遥かなる未来。すでに地球は人間が住めるような環境ではなくなり、人類は他の惑星にコロニーを作ってそこで細々と暮らしていた。だが、そんな中で未だに戦争を続けている2つのコロニーがあったのである。戦いは長引き、戦力が消耗し尽くした双方は子供までもを出陣させるようになっていた。このままでは共倒れになってしまうのがオチだ。そこで一方のコロニーは、戦争を終結させるためにもう片方のコロニー「オブシディアン」の地下にウォー・ハンマーという格段の破壊力をもつ爆弾を置こうとしたのであった。そして、その任務を極秘に遂行するために将軍を含む7人の精鋭が選ばれた・・。
この映画、劇中では一切核戦争やコロニーうんぬんの事について触れていない。ただビデオの解説にそう書いてあるだけで、解説書を見ていることを前提として映画が進んでいるのだ。なんと不親切な作品であろうか!(よく観ると一瞬だけその設定を語っている部分があるのだが、普通は見逃してしまう)
・・それはともかくとして、本作を語る上で欠かせないのが味方としてつく「魔女」の存在である。魔女とはすなわち「三次元で戦うハッカー」であり、自分で作った戦闘プログラムを具現化することで生身の人間や要塞の防御プログラムと戦うのだ。しかも相手の防御プログラムとかもちゃんと具現化して魔女を攻撃したりするので、映像として楽しめるハッカーが本作では見られるのだ。このプログラムを具現化するという設定自体は結構有るのだが、本作はその消化の仕方がなかなかに上手いのである。
だが本作、その「魔女」のアイディアやコロニーの境界線となっている「ガラスの壁」など、SF的な設定が面白いのにもかかわらず、ストーリーの破綻がやたらと目立ってしょうがない。だいたい、主人公達はウォー・ハンマーを仕掛けた後どうするのかという事ぐらい想像できなかったのか? 他にもラストがあんまりなものだったりと、ストーリーの破綻が本作を駄作にしてしまったのであった。残念。

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