バイオ・クライシス 「評価 C」
東欧の某国が開発した、恐るべき殺人ウイルス。このウイルスの感染力は凄まじく、ひとたび軍事利用されたら世界が危機に瀕してしまう。そこでアメリカはウイルスを開発したテロ組織に殴り込みをかけ、なんとかウイルスの奪取に成功する。ところがウイルスを積んだ旅客機(民間機で殺人ウイルスを輸送しちゃマズいだろ)が事故に遭い、事もあろうに空港に墜落してしまったのである!それによってウイルスは空港中の人間に感染した上に、感染したことも知らない人々は飛行機に乗って世界中へと飛び立っていってしまった!こうしてウイルスは、世界中にばらまかれたのである・・(結局のところ、アメリカが余計な事をしたために事態が深刻化してしまったのだ)。そして、世界中の街という街はウイルスに感染してヤケクソになっている暴徒の巣と化してしまい、感染を免れた大統領や高官達はアメリカ北東にある隔離された小島に移り住み、そこで国民を統率することになったのだ。同じく隔離された研究所ではウイルスの抗体の研究が行われ、これで事態は収まるかに思えた。だが、しかし!大統領達の小島に、ウイルスに感染したと思われるテロリストと数人の子供を乗せた旅客機が不時着の要請をしてきたのである!不時着を受け入れれば大統領達が感染してしまう恐れがある。だからといって旅客機には子供達が乗っているので、撃墜するわけにもいかない。大統領に最大の決断が迫られたのだ。しかもその一方で、研究所でウイルスの管理ミスによる事故が発生。なんと研究所員全員がウイルスに感染してしまったのである!果たして彼らは発病する前にウイルスの抗体を見つけることができるのであろうか!?
どんどん主人公達が追い込まれていく展開がなかなか面白い本作だが、映画全体のムードが緊張感に欠け、どうもスリリングな気分になれないのである。こういう映画の目玉ともいえる「主人公の友人がウイルスによって死んでいくシーン」も演出が弱いために感動することも無く、「ああ、死んじゃったのか」程度にしか感じられない。
全ての映画に言えることだが、見せ場をいかに劇的に見せるかということは非常に大切なのである。見せ場が弱い本作は、例え展開が面白くても凡作の域を出ない映画だったのだ。
GO TO TOP!!