ベルリン忠臣蔵                 「評価 C」
ドイツの大企業が、大石と名乗る忍者風の男に襲われた。彼の目的はただ1つ。奪われた村正の奪回だ…!
アメリカン忍者だったら数多くあるが、本作は世にも珍しいジャーマン忍者映画である。そのためか、どうもアメリカン忍者映画と比べると馬鹿演出(製作者らは大マジメだろうが)に磨きがかかっていない。中途半端な日本語を操る日本人警官も話の途中でいなくなっちゃうし、肝心の忍者アクションも数が少ない。そして何よりも本作、全体的に演出がトロいのである。「木村」とか「前田」とか、四十七人の名字がベルリンの街のいたる場所に書かれている(しかも誤字が多い!)のには笑ってしまったが、それも衝撃的とまではいかなかった。
本作の面白い場面を1つ挙げるとすれば、やはり企業の重役らが日本へ旅行したところであろう。酔っ払った重役らが山の中で車を走らせていたところ、車がガス欠になってしまった。そこで車を止めて近くの民家へガソリンを貰いにいくのだが、あいにく家に人はいない。すると酔って正常の判断ができない彼らは、家の倉庫から勝手にガソリンを持っていった上、その家に置いてあった刀をうっかり持ってきてしまった。そう、この刀こそが村正だったのだ! …こんな馬鹿な連中がトップにいる企業も不安だが、こいつらの馬鹿な行動によって大石に企業を狙われたなんて、まさに笑い話である。
また本作、中盤までは殆ど見られない忍者アクションが、クライマックスの敵忍者との大乱闘で存分に炸裂してくれたのは嬉しかった。ラストへの盛り上げは評価できる作品と言えよう。

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