ブラックマスク 「評価 B」
香港映画の影響を受けたアメリカ映画は数多くある。だが本作は逆に、アメリカ映画の影響を受けた香港映画なのだ!
話の内容はこうである。かつて北方の某国(たぶん、ロ○アか北○鮮)は、「痛みを感じない最強の兵士」で編成される701部隊をつくりあげた。だが、政府の陰謀によって部隊は壊滅。部隊の数少ない生き残りは悪事を働くようになるのだが、部隊の1人は仮面をかぶり「ブラックマスク」と名乗って、悪事を働く部隊と戦うのだった! …やはり、アメコミの影響を感じずにはいられないストーリーだ。
米国のアメコミ映画との違いといったら、本作はCGを全く使わないという事ぐらいである。だが、その点こそが「香港映画の影響を受けたアメリカ映画」と「アメリカ映画の影響を受けた香港映画」の違いを決定づけているのだ。
基本的に最近のアメリカ映画は、ある程度の予算があるのならばCGをバンバン使う。それは、香港アクション入りのアメリカ映画にも当てはまるのだ。しかし香港映画の予算は、CG合成よりも、むしろ壊れるセットを作る為の金にそそぎ込まれている。だからアメリカ映画の影響を受けた本作も、ヒーローの非人間的な動きをCGで表現しない。カメラカットの工夫で見事に表現しているのだ。その点こそが、本作に独特の雰因気をもたせている原因なのだろう。
それはともかく、批評である。先ほど述べた点は評価できる作品なのだが、どうも雰囲気がチープで困る。主人公(ブラックマスク)の家がビルの屋上なのを始めとして、ブラックマスクの仮面も薄い板(もしかして、これって厚紙?)2枚という情けなさ。ちゃんとした仮面ぐらい作ってやれよ…と言いたくなる出来である。
だが、決してそんな事を言ってはいけないのだ! 主人公がいくらチャチで情けなくとも、悪役が普通の人間と見分けがつかなくとも、それは全ての予算を壊れるセットの金に使っているからに違いないはずである!(たぶんそうに違いない)これこそ、香港映画は何なのかを見せつけてくれた作品であろう!
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