ラトル・スネーク                 「評価 C」
用水路を設置するため、街の近くでは朝から工事の騒音が鳴り響いていた。工事にはダイナマイトも使われていたのだが、その震動で冬眠中のガラガラヘビ達が目覚め、新たな巣を求めて大移動を開始する!
「工事が蛇の巣を刺激したおかげでパニックに」というシチュエーションが蛇映画の最右翼である「人蛇大戦 蛇」と微妙に似ているものの、本作にはあの作品のような過剰にえぐいシーンは見当たらず、むしろ「再婚によって崩れかけた家族の絆を取り戻す」というファミリー向け路線を地でいく映画だった。
母の再婚相手である建築技師にどうしても馴染めず、辛く当たる少年。彼の心は母が再婚相手との子供を妊娠したことによってズタズタに引き裂かれ、やがて彼は母親の言い付けすら破るようになる。そんなある日、少年は友達とラジコンカーを走らせようと地下トンネルに入っていった。だがそこは蛇の巣窟を化しており、蛇に囲まれて身動きのとれなくなる少年。とそこへ、彼の危機を聞きつけた家族が助けに向かった…。
実に分かりやすくベタベタな展開だが、これも手堅く纏っているので鼻についたりはしない。また他の蛇映画によくあるような残虐シーンも本作では控え目になっているため、お子様にも安心して見せられるのだ。本作こそ、家族揃って見るには最適な蛇映画なのである(幼い頃に「ティックス」や「スクワーム」を観て育った私が言っても説得力皆無だが)。
ただ本作、ファミリー向けであるが故、登場人物が必要以上に無茶な行動をとったりはしない。だから蛇の始末に関しては全部保健所に任せられており、映画はその様子を淡々と映し出したところで静かに終わるのだ。これは現実的と言えば現実的なのだが、おかげでパッとしない終わり方だったという印象は拭えない。このように蛇映画として観れば総じて地味だが、ファミリー路線としては成功していると言える作品だ。

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