リーサルレギオン 「評価 D」
舞台は、蜂蜜を特産品としている小さな農村。幾つもの養蜂所が点在するこの村には、様々な地域から蜂を売りにくる業者が来ていた。だがそんな業者の一つが、メキシコからとんでもない蜂を持ってきていたのである。凶暴性で知られ、とても養蜂には向かないような恐ろしい蜂、キラービーを。そうとは知らない業者は、トラックに乗って村を周回する。しかしトラックに積まれていた蜂はやがて、村の人間や家畜を襲いはじめたのである。保安官である主人公はその事を突き止め、村の養蜂家達に蜂を買わないように警告するのだが、ちょうど受粉の季節で多くの蜂が必要だったこともあり、誰も聞く耳を持ってはくれなかった。更に悪いことに、村の議長は大手スーパーを村に呼び込むのに必死になっており、村のイメージダウンに繋がるから蜂の捜査はやめるようにと主人公に命令してきたのだ。間近に迫りつつある危険を感じながら、何の手立ても打てない主人公達。しかしこうしている間にも、蜂による被害は更に拡大していったのである…。
最近トンデモ蜂映画が続けてリリースされていたが、本作の蜂はそれほど非現実的な動きも見られず、実に久々な正統派蜂映画と言えよう(巣を作るのが異様に速いのもギリギリ許容できる)。ところが幾ら正統派と言っても、この映画のようにありがちな展開で塗り固められ、クライマックスも大して盛り上がらない作品では正直言って評価しがたい。何せ「主人公が村祭りの中止を警告しても断行する議長」という様々な映画で見られるデジャ・ヴュー的展開が堂々と使われている上、その祭りですらごくごく狭い広場で開催されるだけでパレードとかも無く、全く同じ展開を用いた「ブラックファイア」にも劣る代物なのだ。
主人公のヤブヘビ的行動によって蜂の大群が村を襲うようになったり、防護服を着て蜂の退治に向かった昆虫学者が網マスクの前方を蜂が覆うと「見えない」などと言ってマスクを外し、勝手にピンチに陥っていたりと、探せばかなりの馬鹿シーンはあるのだが、蜂を退治する手段もありきたりで全般的にはかなり地味な印象の映画である。
(でも予想を遥かに超えたラストカットは笑った)
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