ラッツ 「評価 C」
「人蛇大戦・蛇」で本物の蛇がゾロゾロ出てきたのにはたまげたが、本物の動物が嫌という程出現する映画は他にもたくさんあったりする。「フェイズW」には実物の蟻が大量に登場するし、「スクワーム」ではこれまた本物のゴカイが嫌という程ウネウネゾロゾロと登場していた。考えてみればCGが使用される前は全て実物を使っていたわけで、探せばたくさんあるのも不思議では無いんだが、その映画の数だけ気味悪い動物の大群に接している役者がいるとなると驚嘆せずにはいられない。本来映画とは、体をはって撮るものだったのである。
そして、本作の役者たちも想像を絶するガンバリズムで撮影に臨んでくれた。タイトル通り、本作で大量発生するのはドブネズミ。しかもこの映画ではあまりに多くのドブネズミを集め過ぎたため、撮影中は保健所に怒られっぱなしだったという逸話があるほどの大量のドブネズミがゾロゾロワラワラ登場するのだ。もちろん劇中では役者の頭に大量のネズミが降り注ぐシーンなんかがたくさんあり、役者の気合いを窺わせる内容となっていた。
北斗の拳やマッド・マックスと同じような近未来、若者達が訪れた街は人喰いネズミの楽園だった──と、ストーリーは非常に単純であってないようなものだ。しかしネズミが気持ち悪い程に大行進していく様を観ていると、とてもストーリーに集中するどころじゃないので、中身を空っぽにしたのはある意味正解だったのかもしれない。
そして観ている内に徐々に高まっていくネズミへの嫌悪感は、あまりにも衝撃的なラストシーンで一気に爆発する。至上のカタルシスを得られるという意味では、実にナイスなラストが用意されていた映画だった。
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