ロック・ネス                  「評価 D」
ネス湖にいると伝えられているU.M.A.、ネッシー。あの湖面を泳いでいる有名な写真が模型を使った偽造品だと判明した今となっても、このU.M.A.は多くの人々のロマンを沸かせている。そして本作は、「もし謎の恐竜ネッシーが人を襲うような凶暴な奴だったら」という仮定の元で成り立っている怪獣映画なのである。
ネス湖でネッシーの調査をしていた探検家が、ある日原因不明の事故によって謎の死を遂げた。そこで彼の友人であったドキュメンタリー番組製作会社の女性は、元旦那のケースに湖の調査を依頼した。そこでケースが仲間と共に湖を調査すると、その湖底からはなんと恐竜の卵らしきものが発見されたのである。そう、ネッシーは実在したのだ! 探検家を殺したのはネッシーに違いないと考えたケースは、沿岸警備隊にネッシーの存在と湖の危険性を強く説いた。だが当然の如く、沿岸警備隊は相手にしてくれない。ケースは門前払いされたものの、その代わりにネッシーに家族を殺された男ブレイと知り合い、彼の協力を得ることができた。ところがそんな時、ネッシーの死体が湖の岸に打ち上げられているという情報が入ってきた。そのネッシーが探検家を、そしてブレイの家族を殺したのか? という疑問を胸にしつつ、ケース達とブレイは死体を保管している沿岸警備所へと向かった…。
本作はネッシーという題材は面白いのだが、怪獣映画として見るといまいち物足りない出来になっている。劇中でネッシーは派手な破壊もせず、また大量虐殺を行うわけでもない。それにネッシーは話がクライマックスに突入するまで全体像を現さない上、漸く見せた姿も質感に乏しく凄みに欠ける。このように本作は盛り上げるべきところに力が入っておらず、ネッシーが出てくる他にセールスポイントと言える部分が見当たらないような映画だった。

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