ロード・ストーカー               「評価 B」
本作は、「激突!」にストーカーサスペンスの要素を加えたような、実にお手軽な発想の映画である。
だが本作はお手軽な発想ながらも、ストーカーの様子は実にうまく描かれていて、良い意味で期待を裏切ってくれた作品だった。男がストーカーを始めた理由というのが「妻と子供が交通事故で死んだから、交通違反をする奴はストーカーしてやる!」といった腑抜けたものなんだが、そんな理由でも主人公一家を徹底的に追いつめていく様は非常にスリリングに描けている。主人公や警察はストーカーの正体が分かっていながらも、なかなか逮捕できないという実にもどかしい状況に置かれてしまう。またストーカーも警察から厳重注意を受けた後でも平気でストーカーを繰り返し、その執念には凄まじいものが感じられる。言うなれば本作は、ストーカーサスペンスの醍醐味が詰まった作品となっているのだ。
お手軽な発想でも、手間をかければ上出来になる。本作は、そんな事を考えさせてくれる作品であった。

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