ロサンゼルス大地震 完全版 「評価 B」
この映画、数ある地震映画の中でもかなりの良作の部類に入る作品である。「大地震」に出てくるような露骨に狂った奴も出てこないし、主人公はドロドロの三角関係に悩んでいた…なんていう事もないし、暴徒(やっぱり出てくる)の描写は極力抑えているので、観ていて嫌な気分になる事もないから、安心して脱出サスペンスや人間ドラマにうちこめるのだ。
映画の内容はと言うと、地震前の展開は「大地震」と同じようなものなので省略する。凄いのは地震後の展開だ。まず南アフリカ首相は、たまたまロスを訪れた際に地震に遭遇し、自分を狙う暗殺者によって命の危機にさらされている。主人公の娘は、家の地下の浸水を止めようとしたのだが、自分が瓦礫の下敷きになってしまい、主人公の妻がそれを救出しようとする。市長とその他大勢は、耐震設備の整った部屋に避難していたから下敷きだけは免れたのだが、出口が瓦礫によって塞がれた上に、換気扇が故障したために、数時間内に脱出しないと酸素が無くなって全滅してしまう…というタイムサスペンスに追い込まれている。その他にも、大怪我をした息子の命を思う母の人間ドラマがあったり、閉じ込められたエレベーターからの脱出があったりと、まことに盛り沢山なのである。しかも、それらの話が1つ1つ順番で進んでいくのでは無く、なんと全部同時進行。少し見逃すとさっぱり分からなくなるので、観るときは用心が必要だ。それでも全部の話がちゃんと解決を見せているので実に中身が濃く、見終わった後には満足感に溢れている地震映画なのだ。
GO TO TOP!!