Y2K                     「評価 C」
今になってはすっかり忘れられたことだが、1999年の年末には「2000年問題」について大いに騒がれていたものである。当時は災害対策セットが飛ぶように売れ、ノストラダムス信仰者は「ノストラダムスは、これを予言していたんだ!」などと言っていた。だが実際には人が死ぬような災害は何もなく、今も我々は平和に過ごしている。
そんな今、「2000年問題」を取り扱った本作はどうも真剣に見られないのだが、当時の人々はこんな映画を作るほどこの問題を真剣に考えていたのだろう…と思ったがしかし。この映画、ハッキリ言って2000年問題はあまり関係しない。別に、2000年問題なんて無くても、この映画は成立しちゃうのだ。なんていったって、内容は単なるテロリスト映画だったんだから…。
2000年1月1日午前0時、コロンビアにあった30年前のアメリカの基地が突然動き出し、飛行機をミサイルで撃墜した。更に基地からは巨大な細菌ミサイルが発射されようとしており、急遽アメリカ政府は天才ハッカーと基地に詳しい退役軍人をCIA率いる軍隊に同行させ、コロンビアへ向かわせた。コロンビアに上陸した(なのに、周りの木は全て針葉樹である)軍の者達は基地を目指すのだが、途中で麻薬商人の私設兵に襲われて彼らはほぼ壊滅。生き残ったのは、軍の人間が1人とCIAが1人、それとハッカーと退役軍人のみだった。しかし麻薬取締官のロシア人女性の協力を得て、4人は基地内に潜入できた。この基地は1969年製のくせに廊下が妙にSFっぽいのだが、そんな事を気にする時間もない一行は細菌ミサイルの軌道を変えようとした。だがその時になって、CIAと軍人がハッカーらを裏切った!(ここからは、完全にB級アクション映画となる)CIAと軍人の正体はテロリストで、なんと2000年を記念して世界戦争を起こそうと企んでいたのだ!(なんという阿呆な展開!)基地は彼らに占拠され、世界戦争の開始時刻は着々と迫りつつあった…。
実にB級ムードに溢れた映画である。2000年問題なんていうテーマも映画の後半にはすっかり忘れ去られるし、コロンビアで撮影した様子は無いのでかなり低予算ということもわかる。
テーマの重さに比べて、実に軽い内容の映画であった…。

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