ワイルドホーク                 「評価 B」
悪党集団に苦しめられている村の代表が、村中から集めた金で用心棒を雇って悪党退治を依頼する…というのは、言わずと知れた「七人の侍」を元祖とする「七人映画」である。この形式をとった映画は多く、西部劇の「荒野の七人」やSFの「宇宙の七人」、戦争映画の「地獄の7人」と、幅広いジャンルの作品が製作されている。それだけ黒沢監督の構成力が見事だったというわけだ。
そして、本作もそんな七人映画の1つである。現代版「七人の侍」と言うべき内容で、凶悪な民兵から街を救うための優秀な傭兵を雇うために、街に住む兄弟が村中から集めた金を持ってロスへと飛んだ…と、話自体にこれといった工夫は見られない。だがこの映画、無駄なシーンも非常に少なく、スッキリした仕上がりが見事な快作だったのだ。
悪党集団の悪事の内容が、まるで北斗の拳のザコみたいにレベルの低いものだったりするが、そこはまあ本家にも言える事だからいいとする。敢えて悪い点をあげるとしたら、この映画、戦闘シーンが少なすぎるのだ。90分映画なのだから仕方無いかもしれないが、戦闘が呆気なく終了してしまうのは少々物足りない。構成と脚本が大変良質の為に、実に惜しい欠点と言えよう。
それでもこの映画、作品の中で7人の個性がハッキリ出ており、隠れた佳作と呼べる映画だった。

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