SFエイリアン天国(別題:裸の宇宙銃を持つ男) 「評価 B」
宇宙船「めまい号」は未知の惑星に辿り着き、ゼリー状の奇妙な物体を採取した。ところがその物体は日を追うごとに巨大になり、遂に人型のモンスターとなって艦内をうろつき始めた。「この生命体が敵意を持っているって? そんな馬鹿なことがあるか!」なんて言っていたスターク博士が真っ先にモンスターに食われてしまい、残されたクルー達は一致団結してモンスターと戦おうとするのだが…。
本作は「密室と化した空間での未知の生物との戦い」というSF映画の定番ネタをパロディにしたコメディ映画だ。よって陽気に踊りながら「君の頭を食べたい〜君の膝も食べたい〜♪」と歌うモンスターや、暇つぶしに自分の日記を読んで聞かせるレスリー・ニールセン扮する艦長など、あらゆる登場人物の頭のネジが緩んでいて、そんな彼らが繰り広げるドタバタ劇に終始するわけだが、本作の一番凄いところは劇中でTVニュースが流れる場面である。なんと「宇宙水爆戦」のミュータントが「バージニアで誕生した改造人間」にされていたり、「スペクトルマン」の宿敵である宇宙猿人ゴリとラーが「フィラデルフィアを襲撃した火星ゴリラ」にされていたり(しかも二人が乗っている宇宙船は「宇宙戦争」のものだ!)と、在り物のフィルムを流用して完全に別物の話を作り上げているのだ。途中で料理教室や歌謡ショーが行われるなど、SFネタに徹しきれていないのがパロディ映画として弱いように感じられるが、この流用シーンの衝撃だけでも十分に面白い映画だった。

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