SF巨大生物の島 「評価 S」
南北戦争時のアメリカ。南軍の収容所に捕虜として閉じ込められていた北軍の兵士らが、嵐の夜に気球を奪って脱走した。ところが気球は風に流され、気がついたときには大陸を離れて洋上に出てしまう。やがて飛ぶ力を失った気球は海に沈み、兵士達は絶海の孤島に漂着するのだが、そこはあらゆる生物が巨大化している謎の島だった…。
御存知ジュール・ヴェルヌの「神秘の島」を映画化した、SF冒険映画の名作。ハリーハウゼンの人形アニメで描かれた巨大生物もさることながら、海賊の襲来や海底都市といったあらゆる冒険浪漫の要素を盛り込んでおり、ラストカットまで観客を引きこむ力に溢れている。特に本作の巨大生物達は滑らかな動きに加えて合成もしっかりしているので、今観ても殆ど人形らしさを感じさせず、その技術力の高さには驚くばかりである。
無人島のサバイバルにおいて、道具が殆ど無いような状態で住居を簡単に作り上げてしまったり、巨大カニや巨大ニワトリを料理して平らげたりと、生活の辛さを匂わせる描写が皆無に近い辺りに本作の夢物語としての側面が見えてくる。だがむしろ、リアルな面を省くことで本作は冒険モノとして楽しく仕上がっているため、この判断もあながち間違っているようには感じられないのだ。未知の世界への冒険やサバイバル生活を浪漫と考える男ならば必見の映画である。
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