アリゲーター2               「評価 C」
とある海辺の小さな町。ここでは現在、土地を住宅地に仕立て上げて売りさばこうとする地主達と立ち退きに反対する地元住民達との激しい対立が起こっていた。数日後に土地を売るための大キャンペーンを行うと言うのに、地元の漁師達はなかなか退こうとしない。それに業を煮やした地主は彼らへの嫌がらせのため、街の地下水道に化学薬品を流すようにと部下に命じた。薬品による汚染は海にまで及び、魚が捕れなくなって困窮する漁師たち。だが汚染の影響は、地主達の想像もつかないところにまで広がっていた。下水道を根城住んでいたワニが、薬品の影響で巨大化、狂暴化したのである。ワニは街の人間を襲い始め、町を恐怖に陥れた。
前作で使われたワニの着ぐるみを再利用して製作されており、柳の下な印象が拭えない本作。だが同じ外見ながらも本作のワニは銃弾も跳ね返す丈夫な皮膚を持ち、また同じ外見ながらもコンクリートの壁を突き破る圧倒的なパワーを持ち、更に同じ外見ながらも毒薬を注射されても平気で動き回る脅威の生命力を持ち、その上同じ外見ながらも……いい加減しつこいのでこの辺でやめておくが、すなわち本作のワニは時限爆弾ごときで死んだ前作のものと比べて格段にパワーアップしているのである。その巨体を余すところなく見せ付けていた前作と違い、本作のワニはカメラワークが災いしてかそれほど巨大に見えなくなっているのが残念だが、この強化は注目したいところだ。
しかし本作、折角ワニが強くなっていたのにも関わらず、それに逆行するかのように話が浅いものになっていた。シンプルながらも深みのあった前作から急転、土地を売るのに躍起になっている地主と住民とが対立し、そして目的達成のために地主が催した町祭をワニが襲う…という、最早いちいち書くのも煩わしいほどの定番な展開なのである。しかもこの対立がワニとの戦いとは全く別の領域で行われているので、ワニの出番を減らす邪魔な要素以外の何者にも感じられないときた。
ということで前作と比べるとあんまりな出来としか表現できない本作だが、これは前作が良質過ぎたということもある。1つのモンスターパニックとして見る場合、話が単純ながらもワニの強さが魅力的なので、これだけの評価は付けられるだろう。

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