APE 2003             「評価 D」
バイオ・コンプ社の飛行機が森林に墜落した。その後乗客の捜査が行われたがすぐに打ち切られてしまい、バイオ・コンプ社のトップであるハーランは飛行機に乗っていた娘と、一緒に積んであった極秘の研究機材を探すべく、自ら捜索隊を率いて森林の中へと入っていった。不気味な森林を進み、何とか墜落現場に辿り着いた捜索隊の面々だったが、おかしな事にそこには死体が一つも見当たらなかった。いったい何故…と不思議に思いながら周囲を散策する一行。だがそんな彼らを、一匹の巨大な猿人が狙っていた!
「○○2003」というタイトルからプライムウェーブ社のパニック大作(自称)シリーズかと思われがちな本作だが、実際はクロックワークス社からリリースされた全くの別物である。ごく普通のサル映画なのに何故「2003」なんてタイトルに付けたのか意図は不明だが、少なくともプライムウェーブ社が2003年に例のシリーズをリリースしなかったのは、この作品が影響している可能性はあるだろう。
(余談だがプライムウェーブ社のパニックシリーズ、「ディープ・コア2000」から毎年一本ずつリリースされていたが、「オデッセイ2004」が「オデッセイ:セカンドレボリューション」と改題されてリリースされたので「ディープ・コア2002」が事実上の最終作となってしまった)
そんな本作は、猿人以外に取り立てて大きなパニックも無く、探検映画としての魅力が非常に乏しい。まさに猿人と極秘の装置ネタで最後まで持たせようとした映画なのだが、その猿人ですら滅多に全体像を現さない上、最終的に「俺達が奴らの住処を荒らしたから猿人が怒っているんだ」という結論になってしまい、当然ながら観客を引き込む力なんかこれっぽっちも無いという有様だ。となれば残りは極秘の装置なのだが、これも単に猿人の正体を見極めるために存在していたようなもので、観客にそれほど凄さが伝わってこない。これだったら色々な生物を登場させた、ごった煮的探検映画の方がまだ面白く、本作は観客を引き込む物の見極めに失敗したと言える作品なのだ。

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