オデッセイ:セカンドレボリューション 「評価 D」
前作のトーラス消滅から10年後。中国とアメリカ・ロシアが緊張状態に突入した時、フランスに第二のトーラスが出現した。このトーラスは10年前の物と比べると治癒能力が格段に優れ、「近くにいるだけでガンが治る」との噂を聞いた人々が続々とトーラスに集まってきていた。そんな中、新たなトーラスの出現に危機感を抱く前作の主人公メイソンは、アメリカ軍と共に再度トーラスの調査を開始する。だがその頃、破壊能力が格段に優れた第三のトーラスがロシア南部に姿を現した。二つの相反する能力を持ったトーラスは互いにオーラを出し合い、10年前のように地球の再生を始める…。
本作は続編ということもあり、初めて観た人にも分かるようにと本編開始前に前作の簡単な粗筋が紹介してある。しかも本編終了後にはちゃっかり「オデッセイ2001」の予告編が添えられてあり、これに乗じて前作のDVDも売ってしまおうというプライムウェーブの心意気がひしひしと感じられるビデオとなっているのだ。
だがそんな配給会社の方々の苦労も虚しく、映画の出来はあまりにも酷く、とてもじゃないが前作を買おうという気にはならないようなものだった。トーラスを宇宙人の建造物と見なす宗教団体「ジェネシス同盟」やら、前作のことを根にもってアメリカとロシアの宇宙防衛ステーションをブッ壊す中国軍やら、トーラスの中で受胎したので死者再生の能力を使えるようになったメイソンの息子やら、とにかくいろんな要素が二時間に満たない上映時間の中で複雑に込み入っており(しかも中国軍は全く本題に絡んでこない!)、おかげで肝心のトーラスの目的とかその辺の話が全く意味不明のままで終わるという体たらく。その上予算が死ぬほど無かったらしく、軍のメカも各地の災害を伝えるニュース映像も、何もかもが前作&「ディープコア2000」など他の映画から拝借してきた物ばかり(狭い通路&白い部屋だけのトーラス内部なんかは、まさにその象徴と言えよう)。そして極めつけがトーラスの神秘性も何もかも吹き飛ばしてしまうラストなのだが、それについては敢えて述べずにおこう。
前作もお世辞にも良作とは言いがたい出来だったが、本作のそれはその前作ですら大きく下回っている。本作はまさしく、駄目な続編の典型的な例である。
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