アマゾンの腹裂き族(別題:猟奇変態地獄)        「評価 C」
黒人女性記者エマニエルは、精神病棟に入れられている或る女性患者のことを取材にきた。彼女はまるで何かに呪われているかのように暴れ狂っていたのだが、エマニエルはそんな彼女の体に謎の印が付けられていることを発見する。早速その印について調べて見ると、それは全滅したと言われている腹裂き族のものであった。確かにあの患者はアマゾンから帰ってきたところを保護されたのだという。ならば腹裂き族はまだ生存しているのだろうか? そこでエマニエルは調査チームを組み、アマゾンへと飛んだのだが…。
劇場公開時は「猟奇変態地獄」という身も蓋も無い邦題を付けられていた本作だが、一番凄まじいのがビデオパッケージの裏に書いてある煽り文の数々である。
「あのエマニエル夫人がアマゾンへ!」
「エマニエル夫人のエロスと秘境探検映画のスリリングが夢の融合!」
うろ覚えなので正確に書くことはできないが、このようにやたらと「エマニエル夫人」が出てくることを強調しているのだ。しかし実際に出てくるのはお馴染みのエマニエル夫人ではなく、黒人のエマニエルという名前の記者。実は本作は有名なエマニエル夫人シリーズとは全く関係が無い、イタリア製の「エマニュエル夫人シリーズ」の一作だからこんな誤解が生じたのだが、「あのエマニエル夫人」なんてパッケージ裏に書いてあるところを見るに、ビデオ配給会社は明らかに狙ってやっているようにしか思えないのである。
しかしこの恐るべき煽り文にも関わらず、映画の出来は実に平凡そのもの。肝心の腹裂き族は話の終盤になるまで全然姿を見せないし、いざ出てくると、名前に反して腹裂きで殺す人間と他の方法で殺す人間との割合が半々という体たらく。エロシーンが映画の半分を占めているのでエロス目的で観る分には問題無いが(多分)、「食人族」のような秘境探検映画を期待して観ると大きくしっぺ返しをくらう映画である。

食人族映画一覧へ
GO TO TOP!!