エア・ハッカー 異常接近 「評価 C」
世界初の、コンピューターの制御による完全自動操縦の航空機が作られた。そこで全世界に注目される中で初飛行が行われたのだが、ある程度まで飛んだところで航空機は突然進路を変え、滅茶苦茶に動き出した。なんとかつて自動制御システムの製作に携わっていた男が、他人のミスを押し付けられてクビにされたことを恨んで、システムを乗っ取って会社の計画を台無しにしようと企んでいたのだ…
直接飛行機に乗るのではなく、地上からの操縦で航空機を乗っ取ってしまうという、「新しいハイジャックもの」をキャッチコピーとして出された作品が本作だ。確かにハイジャックものと考えれば斬新かもしれないが、基本的には制御不能になった航空機と搭乗者のパニックを描くという点に於いてエアポートシリーズと何ら変わりは無く、それほど目新しさが感じられない。しかも話の大半が地上で展開して、機内の人間が定番の着陸シーン以外にはパニックに陥っているだけで殆ど何もしないのは、ハイジャック映画としても、航空パニック映画としても物足りなく感じられてしまう。
話全体としては下手にゴチャゴチャしておらず、綺麗に纏まっているのだが、やはり航空パニック映画の醍醐味は機内の人間が危機的状況の中で何とかしようと必死に奮闘する姿にあるのだ。そのためにも、もう少し機内の人間に活躍の機会を与えるような工夫が必要に感じられた。
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