MP3                  「評価 B」
ウクライナの原発が突如制御不能になり、大爆発を起こした。原発の制御システムを管理していたオートコム社は責任追及されるが、今度はオートコム本社のエレベーターが制御不能になり、社員が負傷するという事件が発生する。更にオートコムの管理システムを使用している建物が次々と停電やら漏電やらに見まわれ、世間は一層オートコム社を責めるように。だがそれらの事件は会社創業に携わったプログラマーが開発した、自分で進化していき破壊活動を行う脅威のMP3ファイルが引き起こしたもので、会社を追放された彼が会社の信頼を無くすために社長の息子を介して社内のメインコンピューターにMP3を侵入させたのであった。それを付きとめた社長は彼の元を訪れるが、彼は既に飛行機に乗ってアメリカ本土を脱出していた。ところがあまりに進化してしまったMP3ファイルは人類の抹殺に乗り出し、自分を止めることができる唯一の人間である彼を飛行機の管制システムを乗っ取ることにより爆殺してしまった。果たしてもう誰もMP3を止めることはできないのか…
よくあるコンピューターの反乱ネタなのだが、管理システムに入ることで町の水道に猛毒を流したり、飛行機を撃墜したり、挙句の果てに基地を乗っ取ってミサイル群を発射させたりと、考えられる限り全てのネタを総動員しているあたりが何とも凄い映画である。しかもエレベーター事故から次第に災害がエスカレートしていく過程が克明に描かれており、見ていて飽きさせないように作っている点は非常に評価できる。
ただ本作、あまりに災害の幅を広げすぎて収拾がつかなくなったという感は否めない。あれだけ巨大なネットワークを形成したMP3があまりにも単純な手段で消滅してしまい、どうも消化不良に終わっているのだ(細かい内容は伏せるが、ゲームボーイポケットが世界を救うというもの)。話を広げるのは構わないが、せめて収拾をつけられる程度に留めて欲しかったものである。

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