アトミック・ハザード            「評価 B」
サンフランシスコの大学で物理学を専行する女学生が、ある日ボビーという名の政治学部の学生に声をかけられた。なんと彼は核兵器の廃絶を世界に訴える為に自らの手で核兵器を作ろうとしており、その製作協力者として彼女を選んだのである。始めは驚いていた彼女も次第にボビー達の思想に同調していき、途中様々なトラブルがあったものの見事に核爆弾は完成した。ところがその次の日の夜、突然謎のテロリスト達が研究所を襲撃し、核爆弾を奪い去ってしまった!実は製作チームの一人がテロリスト達と内通しており、ボビー達は知らないうちに彼らのために核兵器を作らされていたのである。こうしてFBIへの復讐に燃えるテロリストの手によって、核兵器は本来の目的と大きく外れた方法で使われることになってしまったのだ…。
本作は分類上はパニック映画に該当するが、前半部分は核爆弾を製作する学生達の姿がしっかりと描かれており、まるで学園映画のような雰囲気で展開していく。彼らが核兵器を作る理由も観ていて納得ができるし、話のテンポも程よく、実に安心して見ていられる出来になっていた。
ただ映画の後半、テロリストに核兵器を奪われてからは逆にそのテンポの良さが仇となっているように思えてならない。事件の関係者が目まぐるしい勢いで次々と逮捕されていき、挙句の果てにはテロリスト連中が何の抵抗もせずにバタバタと射殺されていく始末。一応主人公であるはずのボビーもラストの頃にはすっかり置いてけぼりにされ、結局女学生と違い最後まで何のフォローもなかった。これだったら最後まで学園映画のノリで通したほうが良かったのでは…という印象が大きく残った映画であった。

GO TO TOP!!