親指バットサム 「評価 A」
スーパーマンやスパイダーマンなどライバルは数多くいるものの、アメコミ界で未だに不動の人気を持っているのがバットマンである。正体が得体の知れない宇宙人のスーパーマンや公的に認められていないスパイダーマンと違って、警察にも頼りにされ正体は人間の大富豪という、とても蝙蝠をモチーフにしているとは思えないライトさが人気の秘密であろう。そしてバットマンは何度か映画化され、大ヒットを起こしてきた。そして親指シリーズの次なる作品である本作の元ネタはこの「劇場版バットマン」である。
話の内容は実に単純明快。顔のない怪人(怪指)「ノーフェイス」が刑務所を脱獄し、町中の親指達を自分と同じ顔無しにしてしまおうと企み、それをバットサムが阻止するというものだ。「あんな蝙蝠型のフックで窓に引っかかるわけがない」など、思いっきり原作をコケにした痛快ギャグは相変わらずだが、それよりも本作で感心してしまうのはパロディとしての凄まじいまでの懲りようである。「親指スターウォーズ」みたいにバットサムの愛車は親指型になっているし、ザコとの乱闘シーンではわざわざ効果音のテロップが入るし、果てにはシーンとシーンの間に例のアイキャッチまで入るという凝りっぷり。凝りすぎているためにバットサムがビルから飛び降りるカットではCGを用いており、それがとても親指には見えず独特の雰囲気が大きく損なわれていたのは非常に残念だが、それでも本シリーズは相変わらずのギャグの質を維持している。続編が出るのを期待するばかりである。
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