親指ブレアサム                 「評価 A」
あの親指シリーズが再び日本にやってきた! だが今回の元ネタはあの世界で最も得をした映画「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」であり、やや日本でリリースされる時期を外したように思えてならない。パロディ映画というものは元ネタが不巧の名作でない限り、元ネタの熱が冷めないうちにリリースするのが大事なんだから、配給会社のSPOももう少し早いうちにリリースできるように努めて欲しかったものだ。
まあそれはともかくとして、批評である。本作は幾ら時期を外したとはいえ、「ボガス・ウィッチ・プロジェクト」や「チュパカブラ・プロジェクト」のような他のブレア・ウィッチの便乗映画と比べても圧倒的に面白い出来だった。「低予算で作れる」「役者が素人でも大丈夫」といった理由で安易な便乗映画を量産した前者に対し、本作は毎度の独特の撮影技術でそれなりに丁寧に作っているんだからそもそも比べる事自体が間違ってるのだが、それを無しにしても劇中のところどころに散りばめられているギャグの質で本作は今までの映画のそれを大きく上回っている。
しかもラストはいろんな意味で衝撃的だったり、本編終了後の出演者インタビューなんかは「食人族」のような偽ドキュメンタリーをコケにしているようにしか思えなかったりと、とにかくあらゆる点で笑える本作。ブレア・ウィッチの内容を半分近く忘れている人でも十分楽しめるので(現に私がそうだった)、そんな人でもぜひ観てもらいたい。

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