ヴァイラス・オブ・サンド            「評価 C」
この映画、予告編では脅威の細菌兵器とか言っているし、パッケージ裏にもそれっぽいことが書いてあったので、私はてっきり細菌パニック映画かと思ってしまった。ところが実際に観てビックリ。本作の内容は極秘に開発された細菌兵器の秘密を巡る攻防戦であって、決して細菌で町中がパニックになるというものでは無かったのだ。しかし確かに細菌は登場するし、予告編は嘘をついてない。となれば肝心なのは話の出来具合いなのだが…。
ドイツの諜報局に長年勤めていたパウルは、突然同僚から手渡された娘らしき女性の写真を頼りに中東へと向かった。そしてあらゆる現地の人間から情報を集め娘の居所を探ろうとしたのだが、再会まであと一歩というところで娘はパウルの同僚の手によって何処かへと連れ去られてしまう。実はパウルの娘は中東で開発されている恐怖の新型細菌兵器の秘密を追うスパイであり、兵器開発に後方から携わっていたドイツが国際関係の悪化を恐れてパウルの娘を監禁しようと画策し、娘の居所を探り当てるためにパウルに彼女の写真を渡したというのだ。そうとは知らずにパウルは細菌兵器にやられた少年を助けるべく、諜報局の飛行機でドイツに向かった。だが飛行機の中には、そんな彼を用済みに思ったドイツ諜報局の上層部が派遣した暗殺者が潜んでいたのである…
という内容なのだが、いかんせん話が分かりづらくて困る。話の中でパウル抹殺を企む連中はたびたび彼に嘘の情報を教えるのだが、その情報のどこからどこまでが嘘なのかが話の流れから掴みにくく、全てがはっきりするはずのクライマックスの戦いも、いまひとつ釈然としないまま話は幕を閉じてしまうのだ。
相手を欺くトリックに満ちた戦闘シーンがなかなか面白いのだが、クライマックスの戦いではそれが生かされていないし、どうも中途半端な印象の映画であった。

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