アタック・オブ・ザ・ジャイアントウーマン    「評価 B」
怪作の中の怪作「アタック・オブ・ザ・ジャイアントケーキ」をビデオリリースした、配給会社クリエイティブアクザ。調子に乗って今度は「妖怪巨大女」のパロディ作品「ATACK OF THE 60 FEET WOMAN」まで、似たような邦題でリリースしてしまった。そこで「ジャイアントケーキ」を観た義理のつもりで本作を観たのだが、これが「ジャイアントケーキ」とは天と地ほどに違う出来だから驚いた。「ジャイアントケーキ」はあくまでムサカネタ一本で押しきった作品であったが、こっちはギャグのセンスも上々の、なかなかの快作なのである。
人気グラビアモデルのエンジェルには秘密があった。昔ひどいブスだった彼女は、医者から貰った怪しい薬の力で見違えるような美女に変身したのである。そして今やアメリカの三大モデルの一人に数えられるようになった彼女だが、それでもまだトップモデルの座は遠い。そこで彼女は医者に更なる薬をせがみ、青色一号が入ってそうな不気味な色の薬を貰った。さっそく薬を飲んでみるエンジェル。すると肌は更に引き締まり、胸が今まで以上に大きくなったのである。
ところがその頃、薬を提供した病院は大騒ぎになっていた。なんと例の薬を投与したラットが、突然変異によって2mほどまでに巨大化したのだ。檻を抜け出したラットは病院内を動き回り、次々と院内の人々に襲いかかる! 一方、エンジェルの体も巨大化が始まり、周りの者を巻き込んでの大騒ぎへと発展していく…。
病院の待合室には50年代のB級SF映画のチラシが置いてあったり、透明人間もどきやべラ・ルゴシ風の吸血鬼もどきも登場したりと、話の中のさりげないパロディも楽しい本作。だが究極のパロディは何と言っても病院に現れた「巨大ネズミ」であろう。エンジェルが巨大化した地点で本来の役目を終えてもよさそうなのに、この巨大ネズミは話の後半までずうっと登場し続け、最後には25mほどの大きさになってビバリーヒルズを襲撃する始末。パロディの中のチョイ役だというのに、その驚愕的存在は完全に主役を食っているのだ。
というわけで、巨大化した女と巨大化したネズミの2種類のB級テイスト満点な話を満喫できる本作。話の筋が弱いものの、お得な内容ではあった。

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