インアマゾン最終章 「評価 D」
早くも出たぞ完結編。本シリーズは日本の配給会社がカナダ製作のTVドラマを編集して「インアマゾン三部作」としたものなんだが、三部作と銘うったからには本作で終わらせなくてはならない。というわけで本作、肝心のアマゾンからの脱出の過程が急展開というものを通り越し、もはや編集が無茶苦茶としか言えない代物になってしまったのである…。
いきなり前回のラストでピンチに陥った奴は訳が分からぬままに助かっていたり、そいつがピンチに陥る様子を見ていた男は、いつの間にか神の国に帰っていたり…と、冒頭から一気に観客を突き放した展開で始まる。更に今回も6人は相変わらず神の国に滞在しており、そこで起きた事件を解決しつつアマゾンからの脱出を企てる…というのが主な展開になっている為、前回同様にサバイバル映画としての雰囲気が完全に消し飛んでいるのが悲しい。しかも本作は編集が凄いので、いきなり知らない登場人物が増えていたり、展開が知らない間に一気に進んでいたりなんていうのは日常茶飯事だ。
もうここまで来てしまうと、あの「ザ・ロストワールド」さえも可愛く思えてきてしまう。「ザ・ロストワールド」はまだ、ブッ飛んだエピソード満載ながらも話作りはそれなりに丁寧だったのに…。
この三部作、ラストへ向かうにつれてどんどんトンデモ度が増していく。後半になればなるほど生存者が死ななくなるし、話が進むと「光る豹」とか「鉄砲を持った原住民」とか唐突に出てきて、世界観を大きく拡大(おいおい)させるし、正統派サバイバル映画が好きな人は思わず頭を抱えてしまうこと請け合いだ。
しかし考えてみれば、サバイバル映画が好きならば「1」、派手なB級アクションが好きならば「2」、とにかく阿呆映画が観たければ「完結編」…という風に、本シリーズは作品ごとに観る人の対象が分かれている。作品ごとに対象が違うのだから、より多くの人が本シリーズを観ることになり、結果的に配給会社の売上は大きく伸びる。そう考えれば、この三部作は実は巧みな構成をしていたと言えるかもしれないのである。
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