アフターショック ニューヨーク大地震 「評価 B」
またまた登場の地震映画だが、この作品も異色作といえる内容だった。「地震モノ」の異色作といったら、アクション映画の要素を取り入れた「アースクエイク」や、サスペンスの要素を無理矢理押し込んだ「サンフランシスコ大地震」というような作品があったが、本作の異色な点はそれら二作とは少し違う。本作の分類としては、正統な「都市パニック型」となるのだが、それでも珍しい事にこの映画、「感動路線」を突き進んだ映画なのである。
地震を扱ったパニック映画は大抵、地震によって狂った馬鹿の姿を強調したり、閉じ込められた密室からの脱出劇を重点に置いている。本作にもそういった点は一応あるのだが、それよりも「命の尊さについて考える」という感動路線の方を明らかに重視した仕上がりとなっているのだ。
そんな路線なので本作では、映画の中で主人公達の周りの人がバンバン死ぬ。これは「みんなの勇気で全員助かった!」というような脳天気な他の地震映画とはえらい違いで、かなりのリアルさがある(でも、お約束通りペットの犬は死なない)。あまりにもお涙頂戴シーンが続くので辟易する人もいるだろうが、この悲壮感は特筆に値する。
ところが本作、後半は少し出来過ぎといった感じである。また救出方法や脱出方法に説得力が欠けていたりと、本作は感動路線に走ったため、パニック映画としての魅力が削られてしまったのである。
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