悪魔の赤ちゃん 「評価 D」
病院で生まれた赤ちゃんが医者や看護婦を大量虐殺して脱走し、外でも人々を殺してまわるという、まことにタイトル通りの正攻法なホラー映画である。本作は全三作のシリーズの第一作であり、何故赤ちゃんが狂暴化したのかについては後のシリーズに任せ、赤ちゃんの凶暴さを徹底的に描くことに重点が置かれている。
ところが本作の赤ちゃん、全体像を現すことはまずなく、顔と体の一部分しか登場しない。これで凶暴さを表現しようとしても必然的に無理が生じ、結果として全然怖くない代物に仕上がっているのだ。
そんな赤ちゃんとは逆に、本作の主人公(怪物赤ちゃんの父親)はかなり凶悪である。最初は正義感からか赤ちゃんを殺そうとしていたのだが、最後には親心が芽生えて赤ちゃんを生かす道を考えるようになる。まあ、それはいいとして、問題はラストである。ラストに主人公は、怪物赤ちゃんを抱いた状態で警官隊に囲まれる。「赤ちゃんを放さないなら、おまえごと撃ち殺すぞ」と警官に言われているので、あわや心中か? と思ったらしかし! なんとこの主人公は、赤ちゃんを自分達を囲んでいる警官隊の1人に投げ飛ばした! 投げ飛ばされた赤ちゃんは、その警官に襲いかかる。当然他の警官は、その警官ごと赤ちゃんを撃ち殺すしかないので、警官も蜂の巣になってしまったのだ。な、なんて主人公だ! 自分が助かれば他人はどうだっていいのか!?
そして、赤ちゃんを投げ付けた主人公が罪に問われたという描写も無く、映画は急に終わってしまう。第一作だというのに、赤ちゃんよりも主人公の凶悪さが印象に残ってしまった作品である。
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