ネストアイランド 「評価 D」
南海に浮かぶチャブ・ケイ島。ジェベダイア老人とその家族が家を構えているこの島には、立ち寄った者が度々行方をくらますという悪い噂があった。そこで若者達が興味本位で向かったところ、意外にもジェベダイア達は彼らを快く歓待してくれた。家で食事まで御馳走になり、拍子抜けしつつも満足げな顔を浮かべる若者達。しかしその頃、海辺に来ていたジェベダイアは若者達が乗ってきたボートを爆破していた。実は地獄への入り口であるこの島には数名の食人鬼が住んでおり、ジェベダイアは彼らに与えるための食料として島に来る者の肉体を捧げていたのだ。更に地震が起こる度に海底から巨大な人食いゴキブリが現れ、島を訪れる人間に襲い掛かっていた。若者達もすぐに島の異常具合に気づくのだが、脱出経路を絶たれた状態で生き残る術はあるのだろうか…。
「なんで巨大ゴキブリを登場せにゃならんのか」これが私の本作に対する最初の感想だった。とにかくこの映画、タイトルに反して巨大ゴキブリの扱いが軽すぎるのだ。冒頭で島に近づいた親父達を襲ったのはいいものの、それから長い間巨大ゴキブリの出番はなく、偶に画面に登場しても食人鬼から逃げ回っている若者達を尻目に島の周辺を這い回っているだけ。クライマックスになって漸く出番が回ってきて、若者達の前に群れをなして出現するのだが、その時若者達はジェベダイアとの戦いの最中であったため碌に暴れることもできず、結局戦いに敗れたジェベダイアの死体処理程度の活躍しかできなかった。また海底から浮上してくるカットの特撮が「深海征服」クラスだったり、地面を這っているカットがどう見ても模型を糸で引っ張っているようにしか見えなかったりと、あまりにも悲惨なゴキブリの姿が目に余ってしょうがない本作。そもそも巨大ゴキブリはストーリーに一切絡んでいない上、作品そのものが平淡な内容だったので、元々普通のホラー映画を撮っていたがセールスポイントを増やすために急遽巨大ゴキブリを登場させたのではないか、と邪推してしまう映画だった。
GO TO TOP!!