ニンジャ・フォース               「評価 B」
「前・在・列・陣・皆・者・闘・兵・臨!」
ケン・ワタナベ。渡辺謙と同姓同名の、東南アジアを中心に撮影活動を続けた映画監督である。ショー・コスギの「燃えよニンジャ」が全米で大ブームを起こし、それに続けと雨後のタケノコのごとくニンジャ映画が量産されていた時代。ケン・ワタナベもまた、相棒の白人俳優ロマノ・クリストフを主演に据えて三本のニンジャ映画を製作した。そして、本作はその二作目がこの映画「ニンジャ・フォース」である。
世界征服を企むアメリカの悪の秘密結社は、伊賀の忍者と協力することで「人間を操る薬」の化学式の奪取に成功する。その事態に危機を感じた警察機構は、レイノルズとその同僚に日本へ渡って甲賀と協力を結ぶようにと命じた。日本の建物でニセ日本語を喋るガイドと知り合った2人は甲賀の里へと向かったのだが、それを敵襲をみた忍者の攻撃にあい、ガイドと同僚は殺されてしまった。しかしレイノルズだけは運良く生き延びて、なんとか甲賀の首領と会談することができたのである。ところが伊賀の方は悪の秘密結社と全面協力してくれたのに、甲賀はアメリカ人と日本人のハーフの忍者、ケンゾー1人を貸してくれただけ。はっきり言って甲賀はケチなんだが、それでも協力してくれた事には変わり無い。レイノルズはしぶしぶと承諾し、ケンゾーを連れてアメリカへと帰ったのである。
ケンゾーを連れて帰国したレイノルズだが、その頃アメリカでは女性の失踪事件が続発していた。薬の人体実験用にと伊賀の忍者達がさらっていたのだが、何故女性だけなのかは謎だ。二人は早速事件を追って、相次ぐ伊賀の刺客を蹴散らしていった。だがいよいよ秘密結社打倒の糸口が掴めそうになったその時、レイノルズの妹までもが伊賀の忍者にさらわれてしまったのである。急いで悪の秘密結社の本部へと向かう二人だったが、伊賀の放った矢によってレイノルズが死亡した。それに怒ったケンゾーは、本部に単身で乗り込んだのである。伊賀の忍者数十人を、弓矢や手裏剣や忍者刀で次々と暗殺していくケンゾー。彼の勢いは誰にも止められず、遂に秘密結社を1人で壊滅させた上、レイノルズの妹まで救出してしまった。ところが、組織は壊滅しても伊賀最強の男は生きていた。
「伊賀ぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
「甲賀ぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

と、日本男児の鑑のような掛け声(本当にこう叫んでます)と共に、二人は最後の決戦を始めた…。
素晴らしい。甲賀と双璧を成している伊賀が、まさか甲賀の忍者1人によって全滅するとは! それにしてもこの映画、アメリカ人に「甲賀は正義で伊賀は悪」といった偏った認識を植え付けてしまったのではないのだろうか? こんな心配をしてしまいたくなるような作品だった…。
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