忍術選手権試合                 「評価 C」
本作は映画を観ることが庶民の最大の楽しみだったころの、子供向け娯楽映画である。しかも製作があの大映。よって細かい時代考証にいちいちツッコミをいれるとキリがないのだが、それ以上に本作、看板に偽りありのとんでも無い映画だったのだ。
昔、保井北という殿様が「河童熱」という病気にかかった。この熱を治すには頭に常に濡れた布巾を被せ、枕元にキュウリを置くのがよいとされているが、病状はさっぱり良くならない。そこで余命が短いかもしれないので、殿様は娘の結婚相手をもうじき開かれる「忍術選手権試合」の優勝者にすることを決める。そこで旅の忍術使いである主人公が出場し、殿様の娘と結婚しようと考えるのだが、その試合には家老の陰謀があって…。
という内容のこの映画、タイトルである「忍術選手権試合」はラスト15分しかなく、しかも映画の内容の都合上により試合は5試合しか観られない。この看板倒れ具合が非常に腰砕けではある。
だがそんな不満を解消するかのごとく、本作の最終試合には最大の見せ場が用意されていた。主人公の父親が忍術ガマを出すのだが、こいつが口からドライアイスを吹き、目が電飾によって点滅するというB級ムードの塊だったのである。
映画自体は羊頭狗肉甚だしいものの、忍術ガマの素晴らしさの前にはそんなものは霞んでしまう。何とも凄まじい映画だ。
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