ニンジャ U.S.A.              「評価 B」
本作は007ばりのスパイアクションに忍者を無理やり絡めたような、何とも凄まじい映画である。
アジアンテイスト溢れるテーマソングに合わせて忍者の修行(と言うより組体操)する姿がこれでもかと映し出され、映画は幕を開ける。主人公の脳天気スパイ(任務中は忍者に扮する)は休暇を終え、次の任務を聞きに本部へと帰還した(本部の廊下はまるでどこかのSF映画に出てくる宇宙要塞みたいな作りになっているが、部屋は何故か和風である)。そして主人公の次の指令は、難攻不落として恐れられている(のわりには、海を流されてきた老人が簡単に侵入してきたりするのだが)、「魔王冠島」を本部とする謎の忍者軍団を壊滅させ、島に隠されている金塊と、黄金の像を奪ってくるというものだったのだ。
任務を受けた主人公は、相棒のサル(サルのくせに忍装束を着ていて、怪しさ抜群である)と共に、仲間を集め、数日後には遂に魔王冠島に潜入した! 主人公率いる忍者軍団は、敵の忍者軍団相手に忍法(地面の中に隠れ、地中から敵を襲撃するのだ。でも時間との勝負の任務と言っていたのに、地面に潜る暇なんてあるのか!?)を駆使して戦い、その間に仲間は金塊を持っていった。
そして忍者軍団をおおかた片付けた主人公は、本部の王室(玉座の前の水槽では、なんとピラニアが泳いでいる)で「黄金仏咤」という名の像(像に彫られている人物は、とても仏咤には見えないが)を手にいれ、遂に首領との一騎討ちとなった!だが首領はとても弱かったので、あっという間に首領はボコボコにされた。そして覆面を剥ぎ、素顔を見せる首領!なんと首領の正体は、休暇の間に知り合った中国人女性だったのだ。あっけにとられる主人公の目の前で、煙玉を使って逃げる首領。こうして任務は完了し、主人公と味方の忍者達は気球に乗って(気球には派手な模様が描いてあり、とても忍者向けとは思えないが)、島を離れたのだった。途中で、首領と再び対面するが、首領は何もせずに遠くへと消えていった(何しに出て来たんだよ!)。こうして、今回の任務は終了したのだ…。
能天気なパッケージイラストが全てを物語っている、実に気の抜ける作品だった。またこの映画、字幕が素晴らしいのだ。サトウという日本人科学者のセリフには、わざわざ語尾に「〜ね」とつけてあったり(演じているのが中国人だからである!)、「首領」という漢字が「主領」となっている部分があったり、字幕も映画の内容に劣らず、とっても脳天気な映画であった。
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