妖怪百物語                   「評価 C」
壮大な雲海をバックに流れるストレートな名キャッチコピー「映画は大映」でおなじみな大映。そこが製作した「妖怪三部作」の一作目が、この妖怪百物語である。
この映画は、その名の通り百物語をベースにした時代劇映画で、戒律を破った悪徳商人達が妖怪達に殺されるという単純な内容だ。しかし各々の妖怪の特撮は見事だし、障子を開けたらいきなり巨大な妖怪の顔がでてきて観客を驚かせたりと、なかなかの力作であり、夏の納涼映画としての役目は充分すぎるほど果たしている。
だがこの映画、何かが変なのである。
今思えば、この映画を見て怖かったのは決して妖怪では無かった。生身の人間達の怪演技が、妖怪以上に怖かったのである。無意味な部分で突然高笑いしたりと、人間が妖怪以上に怖いというおそるべき怪作だったのだ。
主役が他のものに食われてはいけないとはよく言うが、妖怪が人間に食われてしまうとは珍しい。まあどちらにしても、恐怖映画であることには変わり無いのだが…。
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